• 市場原理と情報の公開
  • 日本の長期国債の格付け
  • ますます重要になる情報戦略
  • レモンの市場が健全に機能しないと…
  • 投資資金を市場に呼び込む

市場原理と情報の公開
|不動産に投資するということ

2012-05-21更新

反対に資金が少なくリスクをとれない投資家は、リターンが少ない健全な銀行にしか預けることができない。いずれにしても預金者は、特にリスクマネーを預けた市中銀行に対して、あらゆる情報を集めて監視を行うことになる。つまり、何かあればすぐに預金を引き出す等の準備をもって、リスクに対処することになる。しかし、もし情報がないまま、突然破綻するような金融システムでは、市場原理に基づく投資行動がとれない。リスクをとれるリスクマネーではなく、情報に接することができるマネーだけが有利な銀行に集まり、そうでない資金は一様にリスクをとれず、低い利息を強いられる。これは市場原理の機能に支障をきたす情報の非対称性(市場において投資家が対等に情報を共有できない状態)に起因した問題である。市場原理とは、情報の公開があってはじめて健全に機能するのである。

市場収縮のリスク

例えばある地域が、その地域の資金力だけで都市の再開発を行うことができずに他の地域から投資資金を集めなければならない時、その投資家に対して必要な情報インフラが整備されていなければならない。海外のファンド資金等を期待するのであれば、はじめからその地域の情報に外資がアクセスできるインフラが必要になる。日本の国民資産に占める土地資産評価は、ピークの1990年の2,365兆円に対して、1998年には1,616兆円にまで下がっている。これは、日本全体の土地資産から749兆円に相当する価値を喪失したことに相当する。不動産投資から得られる収益性の劣化が、不動産投資に必要な情報インフラ整備に対する関心をもなくしてしまい、さらに一層市場の魅力をなくし、市場を収縮してしまうことになりかねない。